新しい年を迎える準備ーー伊勢神宮で執り行われた「大麻暦頒布始祭」 Blog
9月17日、伊勢神宮の内宮神楽殿において、「大麻暦頒布始祭(たいまれきはんぷはじめさい)」が執り行われました。
「大麻暦頒布始祭」と聞いても、伊勢神宮を訪れたことのある方でも、あまり馴染みのない祭典かもしれません。
実はこの祭典は、私たちの家庭にも関わりのある、大切な神宮の祭典のひとつです。
神宮大麻と神宮暦を全国へ
伊勢神宮では、毎年、新しい年を迎える前に「神宮大麻(じんぐうたいま)」と「神宮暦(じんぐうれき)」を全国の神社を通じて各家庭へ頒布しています。
神宮大麻とは、伊勢神宮のお神札(おふだ)のことです。
古くは、伊勢神宮の御師(おんし)によって「御祓大麻(おはらいたいま)」として全国へ配られていた歴史があり、現在もその伝統を受け継いでいます。
新しい年を迎えるにあたり、神宮大麻を地域の氏神様のお神札とともに神棚にお祀りし、一年間の家内安全や平安を祈るという習慣は、長く受け継がれてきました。
そして、もう一つの「神宮暦」。
こちらは日の出や満潮時刻など、天体や気象に関する情報をはじめ、農事に関する情報などを掲載した暦です。
神宮の暦は、かつて伊勢の御師が全国に配っていた「伊勢暦」の伝統を受け継いでおり、現在も実用的な暦として奉製されています。
9月に行われる理由
では、なぜ新年のお神札や暦に関する祭典が、9月に行われるのでしょうか。
9月17日に行われた大麻暦頒布始祭は、これから年末にかけて全国へ神宮大麻と神宮暦を頒布していく、その始まりを奉告する祭典です。
神宮では、神社本庁や各都道府県の神社庁を通じて、年末までに全国の崇敬者へ神宮大麻と神宮暦が届けられます。
つまり、9月のこの祭典を境に、少しずつ「新しい年を迎える準備」が始まっていくということです。
伊勢神宮から全国の家庭へ
伊勢神宮というと、内宮・外宮への参拝や式年遷宮、年間を通じて行われる数々の祭典などに目が向きます。
しかし、神宮大麻や神宮暦を通して、伊勢神宮と全国の家庭との間には、普段はなかなか意識することのないつながりがあります。
伊勢で奉製された神宮大麻が、全国各地の神社を通じてそれぞれの家庭へ届けられ、新しい一年を迎える。
9月17日の大麻暦頒布始祭は、そんな長く続いてきた習わしが、今年もまた始まったことを告げる祭典でもあります。
伊勢神宮を訪れた際には、こうした「参拝するだけでは見えにくい神宮の一年」にも目を向けてみると、伊勢の歴史や文化をより深く感じていただけるのではないでしょうか。
これから秋が深まり、年末へ向かうにつれて、伊勢神宮でもさまざまな祭典が行われます。
弊社では、伊勢神宮の参拝だけでなく、こうした伊勢ならではの歴史や文化にも触れていただけるよう、観光タクシーを通じて伊勢の魅力をご案内しています。
